大判例

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秋田家庭裁判所横手支部 平成6年(家ロ)1号

主文

1  申立人と相手方間の当庁平成×年(家)第××号子の監護者の指定申立事件が終了するまで事件本人の監護者を申立人と仮に指定する。

2  相手方は申立人に対し事件本人甲野一郎を仮に引き渡せ。

理由

1  申立ての趣旨

主文と同旨

2  当裁判所の判断

本件記録及び本件審判申立事件の記録によれば、次の事実が一応認められる。

(1)  申立人と相手方は、平成4年11月2日婚姻し、その間に長男一郎(事件本人)をもうけたが、申立人と相手方の実母との折り合いが悪く、申立人に精神的ストレスによる下痢や咳などの症状が見られるようになった。申立人は、医師の指導もあって、これらの症状の原因を避け、静養するため、平成5年12月11日、事件本人を伴い、近くに住んでいた申立人の実母のところへ行った。

相手方は、申立人の実母が再婚中であったこともあって、申立人に事件本人を連れて相手方宅に戻るよう強く求めた。これに対して、申立人は、平成6年1月5日、婚姻関係の円満調整を求めて、当裁判所に対し調停を申し立てたが、相手方が相手方の実母と別居することに強く反対したことなどから、離婚を決意するようになった。

(2)  相手方は、平成6年2月27日、申立人の居住する申立人の実母宅に赴き、申立人と話し合ったが、その際、事件本人を一旦預かることを主張した。申立人は、これに反対したが、相手方がとりあえず調停の次回期日である平成6年3月16日まで預かると述べたので、同日には事件本人を返してもらえると考え、相手方に事件本人を引き渡した。

しかし、申立人は、約束通り事件本人を返してもらえることに不安を感じ、翌平成6年2月28日、相手方宅に赴き、事件本人を取り戻そうとしたが、相手方の実母や相手方に強く拒否され、果たせなかった。申立人は、平成6年3月16日の調停期日において、相手方に対して事件本人を引き渡すよう強く要求したが、相手方はこれを拒否した。

その後、申立人が事件本人の引き渡しを求めても、相手方は全く応じない。

(3)  現在、事件本人は、相手方宅において監護養育されているが、日中は、相手方の実母がその世話をしている。

一方、申立人には精神的ストレスに起因する身体的不調があったが、その後の環境の変化や投薬により、その症状は改善されている。申立人の実母は再婚先を出て、申立人を伴って○○市内の借家で居住しており、事件本人を引き取った場合は、申立人及び申立人の実母がその監護養育を行う予定である。

事件本人に特別な健康上の問題はない。

以上の事実によれば、事件本人の監護養育について、現在、急迫、危険な状態は認められない。しかし、事件本人は、現在1歳未満の乳幼児であり、精神的発達上母親である申立人の監護養育が必要であり、かつその機会を逸することは事件本人の将来の発育上重大な影響を残す可能性を否定できず、申立人の下で監護養育される方が事件本人の福祉に適すると考えるのが相当である。したがって、事件本人の監護者として仮に申立人を指定したうえ、相手方に対し事件本人を仮に引き渡すことを命ずる必要がある。

本件申立は理由があるから認容し、家事審判規則52条の2に基づき主文のとおり審判する。

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